片栗粉でなぜとろみがつくの?その原理や代用品について

2019年5月16日

片栗粉でとろみがつく原理

料理において片栗粉で「とろみ」がつくのは、加熱することで片栗粉のデンプン粒が水分を吸って膨張し粘度が上がるからです。

片栗粉はジャガイモから精製されたデンプンなので、他の穀物から精製されたデンプンなら代用品になり、代表的なものにはコーンスターチなどがあります。

ANSWER
むっちゃん
それでは、片栗粉でとろみがつく理由や原理、片栗粉の代用品などについて詳しく調べてみよう。

片栗粉でとろみがつく?

むっちゃん
料理をする際、片栗粉を使ったことがあるかい?
むちゃネコ
麻婆豆腐とかカニ玉をつくる時に入れるあれでしょ、とろみを出すために使ったことあるよ。

スープを作ったり、あんかけタレや麻婆豆腐なんかを作るためにレシピを見てみると、多くの場合「片栗粉」を入れて「とろみ」をつける工程があったりしますよね。

私達はそういう時に、「レシピに載ってるんだからそうしよう」と特に疑問を浮かべることなく、片栗粉と水を1:1で~などのレシピの指示に従います。

しかしよくよく考えてみると、なぜ片栗粉を入れるととろみがつくのでしょうか?

そもそも片栗粉って一体何?

片栗粉
むちゃネコ
片栗粉ってよくわかんないまま使ってるけど、あれって何の粉なの?小麦粉とは違うの?
むっちゃん
片栗粉は本来カタクリという植物から抽出したデンプンの事だけど、今ではじゃがいものデンプンで作られていることが殆どだよ。小麦粉は名前の通り小麦を精製したものだね。

「片栗粉(かたくりこ)」とは精製されたデンプンのことをいいます。

片栗粉のカタクリとはユリ科の多年草の植物のことで、その名の通り元々はカタクリの茎から抽出したデンプンが片栗粉として使われていました。

しかしカタクリから精製できるデンプンの量は非常に少なく、また自生するカタクリの減少などもあり、明治以降北海道の開拓が進むに連れて大量生産されるようになったジャガイモのデンプンが片栗粉に使われるようになりました。

片栗粉の商品裏面の原材料名の所には大体「馬鈴薯(ばれいしょ)でんぷん(北海道産)」などと書かれていますが、馬鈴薯とは要はじゃがいものことです。

ばれいしょでん粉

片栗粉の用途

むっちゃん
片栗粉の用途はとろみをつける事だけじゃなくて、他にもから揚げの衣をつけたり、麺として使うことも出来るんだよ。
むちゃネコ
から揚げって小麦粉だけじゃないんだ。片栗粉の麺なんて見たこと無いや。

片栗粉の用途には以下のようなものがあります。

・揚げ物の衣
肉などに片栗粉をまぶしてから揚げの衣などにする。
小麦粉を衣にした場合よりも、表面が白くなりサクサクした食感になる。

・麺として使用
小麦粉の代わりに片栗粉を麺にしてうどんなどを作る。
北海道には片栗粉でできた「でんぷんうどん」などの郷土料理がある。

・とろみをつける
麻婆豆腐やあんかけなどのとろみを付けるために使用する。
中華料理に多く使われ、水溶き片栗粉として使用されることが多い。

片栗粉を入れるととろみがつく理由は?

むちゃネコ
片栗粉をスープとか汁に入れるとなんでとろみがつくの?塩とか砂糖じゃとろみつかないよね?
むっちゃん
片栗粉でとろみがつくのは、デンプンの粒が水分を吸収して膨張するのが理由だよ。

では片栗粉の用途の「とろみをつける」という部分の原理を説明しましょう。

デンプンは水に入れて加熱し60℃くらいになると、水分を吸って膨張し急速に粘度を増します。

そして更に加熱し続けて最大値まで膨張しデンプンがこれ以上水を吸えなくなると、デンプン粒は破壊され分散し今度は逆に粘度は若干下がります。

この全体の働きをデンプンの糊化(こか)といいます。

この糊化の際でんぷんの溶けた水は白色から透明に変わります。

スープなどに片栗粉を加えるととろみが付くのはこの糊化によるものですが、加熱された料理にいきなり片栗粉を入れると急速に糊化しすぎて、いわゆる「ダマ」になってしまいます。

片栗粉がダマにならないようにとろみを付ける方法

むちゃネコ
ボクもこの前麻婆豆腐作ったらダマになってゼリーみたいになっちゃったよ・・・
むっちゃん
片栗粉を入れすぎたり、火を入れたまま片栗粉を入れたりするとダマになりやすいよ。
水溶き片栗粉をつくる際に水が少なすぎても駄目だね。

加熱された料理に片栗粉を加える際ダマが出来てしまうのは、全体に片栗粉が溶け切る前にデンプンの糊化が始まり、一部分だけの粘度が上がってしまうからです。

つまりダマを作らないためには下記のような工夫が必要です。

デンプンが糊化する前に片栗粉を全体に広げる

前項で説明したようにデンプンの糊化が始まるのは60℃を超えた辺りであり、温度が高ければ高いほど糊化のスピードも上がります。

なので片栗粉を入れる前に火を止めて料理の温度を下げておくのも、ダマを防ぐのに有効です。

またデンプンの糊化が始まる前に片栗粉が広がるようにするために使われるのが、水溶き片栗粉です。

あらかじめ1:2または1:1で片栗粉を水に溶かしておくのが、片栗粉でとろみをつける場合の定番です。

始めから水に溶けている状態ならば、片栗粉が料理全体に迅速に拡散されやすくなります。

また片栗粉に対する水の割合を増やすとダマになりにくいのですが、これはデンプン液の濃度が低いほうが糊化が起こりにくいからです。

ですので料理初心者などは片栗粉:水を1:2にするのがオススメされ、逆に水を増やしすぎてデンプンの濃度を下げすぎると糊化が起きずにとろみはつきません。

片栗粉が沈殿しないようにかき混ぜ続ける

片栗粉は放って置くと沈殿してしまう性質があるので、片栗粉を入れた後は弱火や中火で加熱しながらかき混ぜ続けることが重要です。

片栗粉が沈殿してしまうと全体に片栗粉が広がらない状態でデンプンが糊化してしまいます。

また水溶き片栗粉を作る際も、料理に投入する直前にしっかりと混ぜてちゃんと片栗粉が溶けた状態にし、沈殿を防ぐことが重要です。

とろみが付いたと思ってもしっかり加熱する

糊化の説明でも書いたように、デンプン粒が吸水し膨張すると粘度が上がりますが、粒の破壊・分散が起きていない状態で加熱するのを止めるとダマのような硬い状態になってしまいます。

デンプン粒が吸水できる最大値まで膨張させて、しっかりと粒の破壊・分散を起こさせることで、冷ましてもしっかりととろみが付いたままの状態にできます。

なので食べやすいとろみを付ける為にも、粘り気がついたからと言ってすぐに加熱するのを止めてしまわずに、しっかりと加熱することが重要です。

片栗粉が無いときのとろみをつける代用品

むちゃネコ
片栗粉の代わりにとろみを付けられるものってある?
むっちゃん
小麦粉でもとろみはつけられるけど、若干白っぽい色がつくよ。
あとはコーンスターチという粉も片栗粉と同じデンプンだから代用できるね。

片栗粉はジャガイモから精製されたデンプンにすぎないので、同じように精製されたデンプン製品なら代用になります。

たとえばトウモロコシのデンプンから作られたコーンスターチなどがその代表です。

しかし同じデンプンでも微妙に特性が違い、片栗粉が加熱すると無色透明になるのに対し、コーンスターチは若干の白色が残ります。

また糊化が起きる温度も片栗粉が60℃なのに対しコーンスターチは70℃位であり、片栗粉の方が粘度が高く、コーンスターチの方が粘度が低い分安定しやすいという違いもあります。

このような特性からコーンスターチはお菓子などに向いているので、洋菓子などではよく使われます。

まとめ

むっちゃん
以上、片栗粉の性質やとろみが付く原理、調理時に気をつけることなどをまとめてみたよ。
むちゃネコ
麻婆豆腐で上手くとろみがつかなかったけど、原理がわかったらなんとなく上手くできそうな気がするよ。
むっちゃん
確かに単純に工程を暗記するのではなく、何故そうなるのか?という科学的な原理を知っていると料理にも役に立つかもね。
むちゃネコ
うーん、勉強でも実生活でもただ覚えるだけじゃ駄目なんだね・・・