
タケノコ(竹の子・筍)には、えぐ味の元になる「シュウ酸」や「ホモゲンチジン酸」などの他に、微量ながら毒性もある青酸配糖体も含まれています。
これらを取り除くためにはしっかりと加熱してアク抜きをする必要があります。
ANSWER
春の味わいタケノコ



春になるとスーパーなどでもタケノコが安く出回るようになりますね。
生で食べても美味しいし、煮物にしたり、山菜などと一緒にタケノコご飯とかにしても美味しく食べられます。
ラーメンの具のメンマも実はタケノコを発酵させた漬物ですし、タケノコ水煮缶なんていうのもありますね。

しかしどんな調理方法でも美味しくできるわけではなく、ちゃんと考えてやらないととんでもない事になるのはご存知でしょうか?
タケノコってどんな植物?


まずはタケノコがどんな植物かを説明しましょう。
タケノコは「竹の子」「筍」という感じからも分かるように、あの硬くて緑色のやつで有名な「竹」の若芽(生えて間もない芽)です。
成長の速さを示す比喩表現としてタケノコが使われるようにタケノコの成長速度はとても速く、一旦地表に顔を出すと、ピーク時には10日間で1メートル以上伸びることもあります。
「筍」という漢字は「竹」と「旬」から出来ていますが、この旬は「しゅん」ではなく「じゅん」という10日間を示す単位です。
つまり10日くらいで竹になるくらい、筍(たけのこ)の成長力は昔から知られていたんですね。
またタケノコは固い皮で覆われていますが、本体は柔らかく、皮は本体を保護すると同時に成長を助ける役割も持っています。
そしてタケノコが成長を続けると皮を落として本体もどんどん硬化していき、あのよく見る竹になります。
タケノコは3~5月が旬と言われており、大抵のタケノコは春先に地表に顔を出しますが、中国の輸入物などは1年中出回っています。
日本のスーパーなどで出回るタケノコの多くは「孟宗竹(もうそうちく)」という種類で、「淡竹(はちく)」なども少量ですが出回ります。
タケノコのえぐみ?


タケノコは掘りたての取ったばかりの状態ではそれほどでもありませんが、時間が経てば経つほど甘味や柔らかさが失われ、「えぐ味」が増していき1日だけで数倍になってしまいます。
なので美味しく食べたいのなら、出来るだけ新鮮なタケノコを用意する必要があります。
このえぐ味は「シュウ酸」や「ホモゲンチジン酸」によるものであり、基本的にはアク抜きをすればえぐ味はなくなります。
これらのえぐ味成分は、重曹や米のとぎ汁のようなアルカリ性の水につけてアク抜きすることでも除くことが出来ますが、後述するように基本的には加熱するほうが安全です。
タケノコには毒がある?!


しかしタケノコには上記のえぐ味の元になるものの他にも、青酸配糖体(せいさんはいとうたい)という化合物が微量ながら含まれており、実はこれが体にとって害のある毒なのです。
青酸配糖体は名前の通り青酸と糖が結合した物質で、これが腸内細菌の働きによって糖と切り離され青酸になると非常に強い毒性を現します。
青酸を大量に体に取り入れ青酸中毒になると、めまいや呼吸困難を発症する場合があります。
タケノコに含まれる青酸配糖体は非常に微量ではあるので、少量食べただけで害がある可能性は低いですが、生で大量に食べるのは絶対にやめましょう。
タケノコを安全に食べるには


青酸配糖体は熱に弱く、十分に加熱すれば壊れてしまうと言われています。
また上記のシュウ酸やホモゲンチジン酸のようなえぐ味の元になる成分を取り除くためにも、アク抜きをする過程で加熱しておくのが安全面でも味の面でもベターといえるでしょう。
加熱しすぎても味を損ねるので、加熱時間は10分から~30分くらいに留めておきましょう。
まとめ





